脊振山系大縦走
2018.03.17
脊振山(せふりさん)を登るにあたり、山頂まで続く舗装路を登って登頂するプランは初めから考えていなかった。
脊振山は東西に連なる脊振山系の最高峰で、役行者も歩いた修験の山。いくつもの峰々を繋いでいくことで、初めて脊振山の良さに気づくことができると思っていた。佐賀に住む従兄弟にも「脊振山は金山あたりから縦走するといいよ」と教えてもらっていた。
糸島の海でサザンワークスの松本さんとシーカヤックを漕ぐためにルート変更をしたので、縦走のスタートを金山から雷山へ変更。岩木山での一件から雷がトラウマになりつつあるが…脊振山系の中でも、雷山から金山までの稜線が特に気持ちがいいと松本さんに教えてもらったおかげで、縦走の距離は延びるが、歩いてみたい♪と気持ちが先行した。
また、雷山といういかにも霊山で修験の山と分かる名前にも惚れた。
スタートは予定よりもちょっと遅れてしまったが、走って時間を調整した。
雷山の登山口には本尊を千手観音とする千如寺があり、手を合わせてから入山。雷山の山頂までは、樹林の中を抜けての急登が続くが、山頂からの展望は絶景で、登頂の瞬間に興奮してしまった。
南側には、登ってきた山々に佐賀平野から有明海までが見渡せ、北側には玄海灘が広がる。東側にはこれから目指す脊振山系の縦走路が続いていた。雷山からは目的地の脊振山は見えなかったが、井原山を越えれば見えそうだった。
前半の三瀬峠(みつせとうげ)までは、遅れを取り戻すべく、久しぶりにコースタイムの半分でぶっ飛ばした。
たくさんの登山者で賑わっていた井原山もゆっくりすることもなく、記念写真だけ撮って、先を急ぐことになってしまった。
ブナの天然林が稜線を包み込み、他にも針葉樹や常緑樹が混在し、変化に富んで魅力あふれる自然が続いていた。後半は金山までの登り返しや細かいアップダウンで体力を削られて、脊振山に着くときはちょっとバテてしまっていた。
脊振山山頂は自衛隊のレーダー基地があり、遠くからでもその存在が分かりやすく、今となっては脊振山のシンボルとも言えるかもしれない。
しかし、山頂には役行者の石像があったり、脊振神社の上宮があったりと霊山のを感じるものも残っている。山頂に電波塔や送電線の鉄塔などをところ構わず、たててしまう現代を、修験道が盛んだった頃の方々が見たらなんというだろう。脊振山を味わうためには、脊振山系を縦走するのがいいというのも、山頂が人工的なモノに包まれてしまっているからなのかもしれない。
改めて、当時の自然に対する考え方が現代とは大きく差ができていると感じた。
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