普賢岳
2018.03.07
今から28年前、約200年ぶりに雲仙岳が噴火、約6年もの間噴火を繰り返した。そして、その火山活動でできた大きな溶岩ドームが平成新山となった。今でも、岩の間から染み出るように煙がのぼり、くすぶり続けているように見える。
地元のおばちゃんに、当時のことを聞くと今からは想像できないほどの惨状だったといい、早期に避難をしていたので、家族は無事だったそうだが、家は噴火の影響をまともに受けたという。
長期間の避難のち、再びこの地に戻り、今は毎朝雲仙岳に「今日もありがとうございます」と手を合わせているという…この最後の言葉が心に残った。
雲仙岳の普賢岳に登るのは、今回で2回目となる。前回は雨のなか登ったために山頂からの平成新山を最後まで見ることができなかった。そのため、今回はコンディションを最優先と考えていたが、二日前に体調を崩してしまい、自分のコンディションが間に合わなかった。結局、若干曇り空のなかの登山となってしまった。
宿からロープウェー乗り場のある仁田峠までは、体調の影響で苦しい登りとなった。我慢を続けていたが、このままでは、せっかくの普賢岳が、ゆっくり見れないと思い、薬を飲んで対応した。1時間ほど休憩すると、薬の効果が出てきたようで、心身のゆとりができ、最短ルートで登頂を考えていたが、直前で変更して、雲仙岳三峰を登り、さらに有明海も見たくなったので、風穴コースも経由する“雲仙岳フルコース”(勝手に命名)を堪能することにした。体調は万全じゃないけど、やり残しはしたくない!との思いが自分の背中を押してくれた。
噴火に耐えた妙見神社、普賢岳と平成新山が間近に見え、多良岳と有明海が一望できる国見岳、風穴を利用した蚕の保存や噴火によってできた特長的な地形が広がる風穴コース、そして普賢菩薩様が守る普賢岳と、時間と体調の許す範囲で存分に味わった。
一番の景色は妙見岳を登る途中から見たゴンドラと平成新山が心に残った。
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