建国の地に
2018.02.11
小雪が舞う朝に、九州の中心から宮崎県へ、今日も歩き出す。沖縄から初めて九州本島に来たというご夫婦が、初めて雪を見て、子供のように興奮している姿が印象的だった。
昨日は1日雨の中での歩きだったためか、頭痛があったが、しっかり寝たからかすっかりよくなった。
分水嶺を越えて、俳人山頭火の「分け入っても 分け入っても 青い山」のように、山間をくねくねと縫うように抜けていく道を、神話の地である高千穂町へと進む。
昼過ぎに高千穂大橋を渡り、道の駅へ着くと、建国記念日に合わせて建国まつりが開催されていたことを知った。
神々が練り歩くパレードや郷土の食べ物が振る舞わられたりと、この旅が始まって最初の祭りだったが…一足遅かった。
気を取り直し、高千穂峡でボートに乗り込み、渓谷美を楽しみ、夜は高千穂神社で開催されるという夜神楽を見に行った。
本来は全部で33番もある神楽を夜通しで行うのだが、その中の代表的な4つの神楽「手力雄」「うず女」「戸取」「御神体」の舞の短縮バージョンを見ることができた。
神楽伝には150人もの来場があり、始まる前は神聖な場所での神事ということで、静寂と緊張感があった。そして、面(おもて)を着けた舞子が登場し、笛と太鼓の音楽に合わせて、独特な舞いを始めた。
33番全ての神楽は、舞いに意味があり、歌を歌いながら舞う番もあるそうだ。また、長いものでは1時間も舞う番もあるとのこと。
舞子の一挙手一投足を見つめ、どんな意味がある動きなのか考えていた。
厳格な雰囲気を感じていたが、最後の舞いは客席も巻き込む場面もあり、笑いが生まれ、静かに見るだけが神楽ではないことも知った。またどこかの地で、伝統芸能に触れる機会があることを楽しみにしていよう。